基準の狂い

過去から現在にかけ、悪や不正が、それらよりもさらに悪いものがあるということを示しつつ、人々に認めさせてきた。さらには、「有害ではあるがより害の少ない方」として拍手すら送らせてきた。ちょうど、「宗教を持たない人を見て、信仰を持たない人をよしとする。」ということわざのように。この背信的思想は、それがどこの呪われたしくみから生じてきたものであろうと、私達の信仰や歴史的な考え、慣習、習慣においてこのような相対性を絶対的な真実であるかのように見なし、一つの基準とすることは限りない堕落であり、よい性質を失っていくことを認めること以外の何ものでもない。